・久々にユウのステータス。
名前:ユウ
種族:森の民 性別:男性 年齢:18歳 カルマ:9レベル:35
腕力:41 耐久:32 敏捷:45 器用:42 知恵:36 魔力:40 魅力:26特殊スキル
統率(中)スキル
剣術:28.6 盾術:19.4 鍛冶:26.5 瞑想:17.9 投擲:21.1 木登り:6.7 隠密:19.3 鍵開け:16.2 罠感知:11.5 罠解体:10.9 軽業:24.2 釣り:4.5 魔道具:14.1 詠唱:20.2 読書:19.7 歌唱:1.3装備:
黒竜の剣(耐久ボーナス+++) 水晶の盾【サファイア】(魔力ボーナス+++) 黒竜鱗の防護鎧(隠密ボーナス+++) 魔法銀繊維のマント【ルビー】(詠唱ボーナス++) 翼竜のブーツ(敏捷ボーナス++) ダイアモンドの護符(体力回復ボーナス++)お財布の中身:金貨換算で約百枚
何年もダンジョンに通って戦いまくったおかげで、超一流冒険者にふさわしい数値になった。 奴隷を大量買いしたせいでカルマはちょっと低め。高い剣術スキルから繰り出される剣さばきは見事の一言。
魔法はあくまで補助だが、初歩攻撃のマジックアローを極めることで貫通させたり、途中で軌道を変えることすらできる。 戦歌や光の盾のバフも強力。回復はポーションで。敵の行動阻害とデバフもポーション。
鍛えるスキルと魔法を絞ったことで効率よく強くなった。なお、クマ吾郎は単純な前衛戦士としてならユウを上回る強さ。
世界最強にして最凶の熊である。配下に入った人間が増えたせいで統率スキルが
「変わった味だ。芋の他に何を使っている?」「マヨネーズです。卵に酢と油を加えた調味料だよ」「ほう……。お前はいつも新しいものを作るのだな」 イーヴァルはなんかしみじみしている。「北の土地でこれほどまでに豊かな実りを実現するとは。正直、上手くいくか疑っていたのだ。今となっては恥ずかしい」「いえいえ、雪の民の協力があってこそですよ」 本当にそうだと思う。 特に最初の冬は、雪の民に肉をわけてもらって狩猟を教えてもらったおかげで生き延びたようなものだ。輸送頼みでは量が限られていたし、何より村人同士や雪の民との絆が生まれたから。「これからも力を合わせていきましょう」 俺が言うと、エミルが力強くうなずいた。「はい! 僕もがんばります!」「ああ、こちらこそ頼む」 彼らは他の店に行くからと去っていった。 広場の店はどこも盛況で、みんなコインを握りしめてあちこち物色している。 自分のお金で買い物する機会など、奴隷たちにはなかなかなかっただろう。雪の民もそうだ。だからだろう、どの人も楽しそうだった。 今回は食べ物ばかりだが、そのうち名物になるようなものも作りたいな。冬の間の農閑期の手仕事として、収入を確保できれば一石二鳥だ。 そのうち何か考えてみよう。 やがて日が傾いて、夕焼け色に空が染まり始める。 みんな満腹で満足した顔をしていた。 店を片付けた後、広場に大きく薪を組んだ。 火をつけるとあかあかと燃え上がる。気分はキャンプファイヤーだ。 やっぱ、祭りの締めは焚き火をしないとな。 少し肌寒い風が吹き始めた夕暮れ、人々は明るさと温かさを求めて火の回りに集まってくる。 酒が配られると、自然、誰かが歌い始めた。 奴隷たちはほとんどがパルティア人だけど、出身地域はばらばら。そのため故郷の歌もさまざまだった。 テンポのいい上調
収穫と同時進行で行われる作業は、とにかく忙しい。 忙しいけれどやりがいがある! 春から今まで手塩にかけて育ててきた作物たちが実ってくれた。 とても愛おしくて、食べるのがちょっともったいないくらいだ。……まあ、食べるけどな。 村人たちも同じ思いなのだろう、笑顔で働いている。大変な作業を協力して進めることで、一体感が生まれている。 そして収穫が一段落した頃、俺は言った。「お祭りをしよう。今年一年の労働と実りに感謝して、収穫祭だ!」 村人から大きな歓声が上がった。 収穫祭の日がやって来た。 今日は折しも飛び切りの青空。北の大地の秋空は、どこまでも澄み切っている。 村人たちは朝からソワソワとしている。 日が高くなった頃に雪の民が到着したので、始めることにする。「みんな、集まったな? それじゃあ今から、収穫祭で使えるコインを配る」 この日のために鍛冶でちょいちょい作っていたコインを配った。 開拓村では物々交換ばかりで、まだお金が流通していない。 けれど将来を見据えれば貨幣は必要になる。村人と雪の民にお金に慣れてもらうため、遊び感覚のコインを導入したのだ。 なお、このコインの材料はくず鉄だ。金属としての価値はない。 今はあくまで遊び感覚、お金というものに慣れるための訓練である。 六角形のマークが刻まれたコインを手にして、みんな珍しそうにしている。 六角形は雪の結晶を簡略化したものだ。 雪はこの北の土地で馴染みが深いもの。 このコインを見れば北の土地を思い起こせるよう工夫した。「それでは、収穫祭を開始する! みんな、楽しんでいってくれ!」「おーっ!」 歓声が上がって、村人と雪の民たちは広場に向かった。 広場では出店がいくつも準備されている。 村で焼いたパンにベーコンや野菜を挟ん
開拓村にやって来たクマ吾郎は、さっそく仕事を始めた。 夜目を生かして夜の見張りに立ち、近づいてきた害獣どもを追い払う。 柵のあちこちに体を擦り付けて熊の匂いをつければ、弱い動物たちは恐れて近寄らなくなった。 人間がどれほど威嚇したり数匹殺したりしてもビビらなかったのに、効果抜群である。「クマ吾郎、お手柄だな」「ガウ!」 ご褒美に北の森で採れたどんぐりをあげると、おいしそうにモシャモシャ食べていた。 クマ吾郎は村に常駐してもらおうと決めた。頼れる相棒である。 バルトは村に伝書鳩の鳩舎を設置していた。「ここはパルティアから距離があるからね。素早い情報伝達は何よりも大事だ」 よく訓練された伝書鳩は、王都パルティアからここまでを一日と経たず往復するんだとか。 徒歩なら半月以上はかかるのに驚いた。「盗賊ギルドの伝達網は、伝書鳩を使っていたのか」「まあね。各地でこっそり鳩舎を置いて飼いならしているよ」 バルトに連絡を取るとやたら素早いレスポンスがあるのは、そういうわけだったんだな。「ユウの家の近くにも鳩舎を置いてある。必要な連絡は取ってあげるよ」「いつの間に。まあ、ありがとよ」「どういたしまして」 こうして動物の食害事件は解決して、ついでに高速連絡手段まで手に入れたのだった。 そうして時間は過ぎていって、ついに秋になった。 秋。豊かな実りの秋である! 畑ではじゃがいもととうもろこしの収穫から始まって、麦の刈り入れへと移っていく。 じゃがいもは丸々と太って、土から掘り出すと輝いて見えた。 とうもろこしはヒゲまで豊かで、実がしっかり詰まっている。 そして黄金色にきらめく麦穂は、病も水害も冷害もなくずっしりと良い麦粒を実らせていた。 春の遅い時期に植えたかぼちゃも収穫時だ。豆類もそろそろいい感じである。
「すぐに出発しますか……?」 エリーゼが寂しそうな目で言ったので、俺は苦笑する。そんなふうに言われたら、すぐ帰ると言えなくなってしまう。「いや、せっかく久しぶりの我が家だからな。数日はここにいるよ」 みんながぱっと笑顔になった。「でしたら、腕によりをかけて料理いたしますね」 と、レナ。「なにか食べたいものはございますか?」「うーん。じゃあ、焼き立てパンがいいな」 北の村では案外食べ物が豊富だが、小麦がまだない。だからパンは輸送されてくる、日持ちのする堅パンしか食べられない。 肉と魚は雪の民が獲ってきてくれるし、野菜は今や豊富なんだけどな。「分かりました。ふかふかのパンをご用意しますね!」 この家には製粉用の石臼《いしうす》とパン焼窯がある。 毎日パンを焼いているのだ。贅沢だろう? なお製粉は税金が取られる。こんな小規模な家庭用でもだ。まったくパルティア王国は。 みんなと一通りの話をして、レナやバドじいさんの生産品を見せてもらう。 彼らの腕はもはや見事としか言いようがない。 最高品質のものを自由自在に作ってくれる。俺の統率スキル(仲間の成長率アップ)もあるが、何より彼ら自身の努力のおかげだ。 エリーゼに店の様子を聞けば、やはり重税と役人の好き勝手は変わらないらしい。「国相手に文句を言っても仕方ありませんし。できるだけうまくやるようにしています」 ため息交じりのエリーゼに、俺はうなずいた。「うん、苦労をかけるが、そうしてくれ。この店の儲けは、税金を差し引いても大したものだ。北の村が安定するまでは、店を続けようと思っているから」「はい」 さて、家にいる間に他に片付ける仕事は何があったかな。 俺が王都まで物資の買い出しに行ったり、家で鍛冶をしていたりして過ごして
初夏から夏真っ盛りになると、作物はますます増えた。 食べきれないほどの野菜類は、日持ちのする料理にしてなるべく消費する。パルティア王国に輸出したいくらいだが、あちらはあちらで作物の季節だろう。 今はまだ余るほどではないにしろ、いずれ畑を広げれば余剰分が出る。 それらの有効利用を考えないといけなかった。 さらにもう一つ問題が出た。 南や北の森からやって来る鹿やアライグマが、畑を荒らしてしまうのだ。夜の暗闇にまぎれてこっそりとやってきて、朝になったらかじられた野菜だらけ。 冊を立てたが、飛び越えたり隙間から入ってきたりしてあまり効果がない。「助っ人を呼ぶか……」 今日も今日とてかじられたズッキーニを片手に、俺はうなった。 ちょうど村に着ていた輸送隊護衛のルクレツィアに話しかける。「なあ、ルクレツィア。お前は前に、見どころがありそうなやつに戦闘訓練をつけてやってると言ってただろ。あれ、どうなった?」「ま、そこそこだよ。結局、見どころあるのは三人くらいだったな。一通り訓練した後は、レナのポーション持たせてダンジョンに放り込んでる。素材程度は拾ってくるから、助かってるぜ」 ここいらのダンジョンは初心者向けではなく、そこそこの難易度だ。それで戦っていけるなら、悪くない腕前だろう。「そっか。じゃあそいつらと家の警護をクマ吾郎と交代しても問題なさそうか?」「いいんじゃね?」 ルクレツィアはうなずいた。「家と店はあっちじゃだいぶ有名になってるだろ。ひいきにしている冒険者も多い。そいつらが抑止力になってるし、そこそこの戦力で十分警護はできるだろ」「よし、それじゃあ……俺が一度家に戻って、クマ吾郎を連れてくるよ」 去年の秋以来、家に戻っていない。 輸送隊は毎回手紙を持ってきてくれるけど、俺もみんなに会いたいからな。 帰還の巻物を使えば家までは一瞬だ。でも輸送隊の馬車は一つしかない。 だから輸送隊が戻った頃を見計らって帰還の巻物
すっかり耕した畑に植えるのは、小麦、じゃがいも、とうもろこしの穀物類。 それからトマトやなすび、ズッキーニなどの野菜類だ。 かぼちゃはもう少し暖かくなってからとのこと。 ここはヨーロッパ風といえばヨーロッパ風の世界なんだが、じゃがいもやトマトが普通にある。 まあ西の大陸と交易をしているわけだし、航海技術はそれなりに発達している。細かいことを気にしても始まらないな。 種を植えた作物が芽吹いて、育って行くのを見るのは楽しい。 今のところは川から汲んできた水や自然に振る雨で水は足りているが、もっと規模が大きくなったり夏に干ばつが起きたときのために用水路や貯水池を整備したほうがいいかもしれない。 今年は様子を見がてらやってみよう。 どうせ今年は赤字を覚悟している。 俺のポケットマネーと店の売上から物資を調達して、定期的に村に運び込ませている。 去年の秋と冬はイザクが店の裏の畑で作った野菜をたくさん持ってきてくれた。 今年は自給自足分ぐらいは収穫したい。 欲を言えば雪の民と交換する分もプラスしてな。 俺は農業は素人だが、イザクら農業スキル持ちはしっかり心得ているようだ。 肥料を選んだり、追肥の時期を見極めたり。雑草抜きなどの雑務をしながら実に多忙に働いている。 肥料はニワトリ小屋や豚小屋の糞を発酵させて利用している。その他にも、皆で協力して北の森から腐葉土を取ってきた。 古参のイザクが勤勉に働くものだから、難民だった奴隷たちもサボろうとしない。 そして季節は夏になり、とうとう最初の作物の収穫時期がやってきた。 夏になってトマトが赤く色づき、きゅうりやズッキーニもずいぶん大きくなった。「そろそろ食べごろだ」 イザクが言ったので、奴隷たちは歓声を上げる。 村人総出で作物をもぎ、サラダにする。それからカットして天板に並べてオーブンで焼くことにした。「野菜だけじゃ寂し